CERIクロマトグラフィー分析賞

CERIクロマトグラフィー分析賞授賞記録

2018年度
三上博久((株)島津総合サービス)
誘導体化HPLC検出法の開発と装置化
(推薦者:大﨑幸彦)
2019年度
伊藤正人((株)日立ハイテクサイエンス)
高速アミノ酸分析計および超高速液体クロマトグラフに関する研究と開発
(推薦者:清水克敏)
2020年度
熊谷浩樹(アジレント・テクノロジー(株))
HPLCシステムの高機能化による分析ラボの効率向上
(推薦者:滝埜昌彦)
2021年度
竹澤正明((株)東レリサーチセンター)
生体試料中医薬品の極微量質量分析法の開発
(推薦者:三上博久)
2022年度
岡橋美貴子(特定非営利活動法人病態解析研究所)
糖尿病管理指標の測定法開発と維持管理に関わる研究
(推薦者:星野忠夫)
2023年度
合田竜弥(第一三共(株))
ペプチド吸着能のメカニズム解明及びペプチド吸着制御 LC の開発
(推薦者:宮野 博)

2024年度


液体クロマトグラフィー(LC)研究懇談会(以下、LC懇)は、2024年度のCERIクロマトグラフィー分析賞受賞候補者の推薦を受け付けます。LC懇会員で、標記候補者の推薦を希望される方は、下記の規程(抜粋)を参照の上、推薦資料提出先にお申し出下さい。受賞者には、LC懇の電子ジャーナ「LCとLC/MSの知恵」(通巻第9号、2024年12月15日発行予定)への業績投稿と共に、第30回LC & LC/MSテクノプラザ(2025年1月を予定)での受賞講演を行って戴きます。

第1条 本賞は、LCを利用した研究分野で優秀な研究成果を挙げた者を対象に、年1件以内に授与する。

第3条 受賞者の資格に年齢は問わないが、LC懇の会員である事が望ましい。
 又、受賞者の研究成果は、既印刷のもので、少なくともその一部が公益社団法人日本分析化学会の機関誌若しくは学術刊行物に掲載されたものである事を要する。

第7条 賞の授与は、LC & LC/MSテクノプラザにおいて行う。受賞者には、賞牌及び賞金(10万円)を授与する。

提出資料
推薦者(会員番号明記)は、A4判サイズに横書きで記入した以下の4種類の資料(各1通)を1ファイルに纏め、2024年8月末日までに下記提出先に電子メールで送付する。
①候補者の生年月日及び高校卒業以後の履歴書
②推薦理由書
③研究業績名(40字以内)及びその概要
④研究業績リスト:表題、全著者名(受賞候補者にアンダーライン)、雑誌名、巻数、掲載ページ数、掲載年をこの順に記載したもの
⑤その他、適当と思われる資料(1件)を提出しても良い。
推薦資料提出先
CERIクロマトグラフィー分析賞係

2023年度


 本賞は、(公社)日本分析化学会・液体クロマトグラフィー研究懇談会(LC懇)が「液体クロマトグラフィーを利用した研究分野で優秀な研究成果を挙げた者に授与する」と規定する褒賞であり、(一財)化学物質評価研究機構(Chemicals Evaluation and Research Institute, Japan、CERI)の協力を得て2018年度より運用を開始している。2023年度は、本年8月末日を期限として候補者の推薦公募を行った。期日までに提出された候補者の推薦理由書、研究業績等を基に、選考委員会(2023年9年19日)で審議した結果、第一三共株式会社所属の合田竜弥氏(推薦者:エーエス フロンティアーズ・宮野 博氏)を授賞候補者として選出した。2023年度LC懇第6回拡大運営委員会(9月20日)において、選考委員長より上申された上記結果を協議した結果、合田氏への授賞が正式に承認された。合田氏の研究業績名は、「ペプチド吸着能のメカニズム解明及びペプチド吸着制御 LC の開発」である。以下、授賞の対象と成った研究業績等の概要を紹介する。

1.ポリペプチドの固体への吸着メカニズムの解明
 ポリペプチドの固体への吸着が、溶液中の有機溶媒によって惹起される高次構造変化に伴うものであり、或る特定の有機溶媒含量(臨界値)を境に急激且つ可逆的に変化(相転移)する事を世界で初めて見出した。又、その吸着能の状態を、臨界値を用いた式で表現する事にも成功した。更に、逆相 LC におけるポリペプチドの溶出機構について、従来の「ポリペプチドは、カラム入り口の充塡剤担体表面に強く保持された後、溶離液中の有機溶媒含量が或る程度上昇しても全くその場から脱離せず、特定の有機溶媒含量に達した時に固定相から初めて脱離し、一旦脱離したポリペプチドは、それ以降固定相とは何ら相互作用もせずカラムから溶出する」との考え方に対して、「ポリペプチドはカラム充塡剤に対する吸脱離を繰り返しながら溶出している」事を示す事にも成功した。

2.ペプチド吸着制御 LC(peptide adsorption-controlled LC; PAC-LC)の開発
上記のポリペプチドの吸着能の可逆性を利用したペプチド吸着制御 LC(peptide adsorption-controlled LC; PAC-LC)を開発し、定量方法及び装置に関する特許を取得した。これは以下の特徴を有する画期的なものである。
1)測定精度の向上:前処理工程で、ポリペプチドの容器等への吸着回避を目的とした高有機溶媒含量の溶液の使用が容易と成り、高有機溶媒含量の溶液を LC に導入した際に問題となるカラム非保持ピークの発生を抑制する事が出来、非保持ピーク発生によって生じる測定精度の損失を回避する事が可能と成った。
2)ポリペプチドの高感度分析:このPAC-LC に対する試料導入量は理論上無制限である事から、試料の大量導入による精度の高い高感度定量が可能と成り、これまで困難であった低濃度ポリペプ チドの検出及び定量への可能性が開かれた。これらの成果により、現在の製薬企業における新薬開発に不可欠な様々なモダリティー医薬品の定量及び医薬品開発に不可欠な生体試料中バイオマーカー定量を、高精度・高感度かつ極めて容易に行う事を可能にした。

3.社会的貢献
合田氏は日本分析化学会の機関誌「ぶんせき」の編集委員(編集幹事、編集副委員長)を歴任し、長年、LC懇の運営委員等を通じて、HPLC 及び LC/MS 技術者の教育、育成に多大な貢献をしている。又、外部団体ではあるが、JBF(Japan Bioanalysis Forum)の代表としてAMED 研究班においてガイドライン指針作成に携わっており、日本のバイオアナリシスの普及、発展の旗振り役の一人である。この様に、合田氏のポリペプチド定量に関する顕著なブレイクスルーとその応用、及び社会活動は、正にCERI クロマトグラフィー分析賞授賞に相応しい人物と評価された。

なお、合田氏の業績に関する詳細は、LC研究懇談会の電子ジャーナル「LCとLC/MSの知恵」第7号(2023年12月15日発行予定)に掲載し、受賞講演と表彰・副賞の授与は第29回LC & LC/MSテクノプラザの初日(2024年1月18日、横浜市金沢産業振興センター)に行う予定である。

[液体クロマトグラフィー研究懇談会・委員長 中村 洋]


 液体クロマトグラフィー(LC)研究懇談会は、2023年度のCERIクロマトグラフィー分析賞受賞候補者の推薦を受け付けております。LC研究懇談会会員で、標記候補者の推薦を希望される方は、下記の規程(抜粋)を参照の上、推薦資料提出先にお申し出下さい。受賞者には、LC懇の電子ジャーナル「LCとLC/MSの知恵」(通巻第7号)への業績投稿と共に、第29回LC & LC/MSテクノプラザ(2024年1月を予定)での受賞講演を行って戴きます。

第1条 本賞は、LCを利用した研究分野で優秀な研究成果を挙げた者を対象に、年1件以内に授与する。

第3条 受賞者の資格に年齢は問わないが、LC研究懇談会の会員である事が望ましい。又、受賞者の研究成果は、既印刷のもので、少なくともその一部が公益社団法人日本分析化学会の機関誌若しくは学術刊行物に掲載されたものである事を要する。

第7条 賞の授与は、LC & LC/MSテクノプラザにおいて行う。受賞者には、賞牌及び賞金(10万円)を授与する。

提出資料
推薦者(会員番号明記)は、A4判サイズに横書きで記入した以下の4種類の資料(各1通)を2023年8月末日までに下記提出先に電子メールで送付する。
①候補者の生年月日及び高校卒業以後の履歴書、②推薦理由書、③研究業績名(40字以内)及びその概要、④研究業績リスト:表題、全著者名(受賞候補者にアンダーライン)、雑誌名、巻数、掲載ページ数、掲載年をこの順に記載したもの、⑤その他、適当と思われる資料(1件)を提出しても良い。
推薦資料提出先
CERIクロマトグラフィー分析賞係

2022年度


 本賞は、(公社)日本分析化学会液体クロマトグラフィー研究懇談会(LC懇)が「液体クロマトグラフィーを利用した研究分野で優秀な研究成果を挙げた者に授与する」と規定する褒賞であり、(一財)化学物質評価研究機構(Chemicals Evaluation and Research Institute, Japan、CERI)の協力を得て2018年度より運用を開始している。2022年度は、本年8月末日を期限として候補者の推薦公募を行った。期日までに提出された候補者の推薦理由書、研究業績等を基に、選考委員会(2022年9年10日)で審議した結果、特定非営利活動法人病態解析研究所所属の岡橋美貴子氏(推薦者:特定非営利活動法人病態解析研究所・星野忠夫氏)を授賞候補者として選出した。2022年度液体クロマトグラフィー研究懇談会第6回拡大運営委員会(9月29日)において、選考委員長より上申された上記結果を協議した結果、岡橋氏への授賞が正式に承認された。岡橋氏の研究業績名は、「糖尿病管理指標の測定法開発と維持管理に関わる研究」である。以下、授賞の対象となった研究業績等の概要を紹介する。

1.HbA1c測定法の開発と標準化への活用

1.1 安定型HbA1c日常測定法(KO40法)の開発
HbA1cは、糖尿病の診断や治療における指標で、1980年代にHPLCによる専用装置が発売された事により臨床で広く使われる様になったが、測定値の装置間差が大きいという問題があった。その原因の一つとして、専用装置では安定型HbA1cと不安定型HbA1cの分離が不十分である事が指摘されていた。KO40法では、スルホプロピル基を有する非多孔性陽イオン交換カラムTSKgel SP- NPR(内径4.6 mm、長さ35 mm、東ソー)を用い、4分で安定型HbA1cと不安定型HbA1cを良好に分離する事に成功した。分析時間の短縮により、多検体の信頼性ある安定型HbA1cの測定が可能となり、臨床現場における装置間差の評価、糖尿病スクリーニング法の検討など臨床研究において多くの成果を挙げる事が出来た。

1.2 安定型HbA1c基準測定法の維持管理
所属研究室に於いて、安定型HbA1cの更なる良好分離を目的として、KO40法と同じ充塡剤で長さを100 mmとしたカラムを用い、50分で安定型HbA1cを単離測定するKO500法が開発された。岡橋氏は、KO500法の性能評価、実用化への検討を行い、その結果KO500法は、日本臨床化学会および日本糖尿病学会の議を経て、本邦のHbA1c標準化における実用基準測定法として活用されるに至った。現在、KO500法は7つの基準測定施設で運用されており、岡橋氏は、その維持管理に携わり、整合性の確認、各施設測定者への教育等を行っている。

1.3 HbA1cの標準化活動
岡橋氏は、「日本臨床化学会糖尿病関連指標専門委員会」、「日本糖尿病学会糖尿病関連検査の標準化に関する委員会」、「臨床検査基準測定機構(JRMI)」の委員としてHbA1cの標準化活動に携っている。現在、測定法間差および施設間差の無い標準化されたHbA1c値が得られる様になったが、その標準化に分離分析分野から貢献した。

2.LC/MSを用いたグリコアルブミン(GA)測定法の開発と標準化活動

LC/MSを用いたGA測定法の開発を行った。GAは糖尿病関連指標であり、日常測定法としてボロン酸アフィニティーによるHPLC法や酵素法が提供されているが、何れも化学量に裏付けられた標準物質による校正がなされていなかった。そこで、基準測定法として対応出来る様な測定値に化学量論的裏付けを持つ測定法の開発を行った。GAの主たる糖結合部位がアルブミンの525位のLysである事を確認し、525位を含む合成ペプチド(糖化ペプチド,非糖化ペプチド)を校正物質とし,LC/MSを用いるペプチドマッピング法を測定手技とし,測定値をSI単位系で表示するGA測定を可能とした。また、「日本臨床化学会糖尿病関連指標専門委員会」の「GAの標準化プロジェクト」に参加し、分離分析分野から標準化に貢献している。

3.液体クロマトグラフィー研究懇談会への貢献

岡橋氏は、1993年に本研究懇談会の運営委委員に就任し、会計、監査、褒章小委員会の小委員長、分析士筆耕部会長を務め、会の運営円滑化業務支援を行って来た。また、LC-&LC/MS-DAYs、LC&LC/MSテクノプラザ、書籍出版などを通して、会の活動に長年に渡り貢献して来た。
以上、岡橋美貴子氏の業績は、➀学術的貢献;糖尿病管理指標グリコヘモグロビン(HbA1c)の分析法・維持管理・実用標準化、及び、生体成分の試料前処理と分離分析法の開発など、②教育的貢献;書籍・研修会などの当該懇談会事業を通じての解説など、③社会的貢献;当該懇談会の運営円滑化業務支援、及び、臨床検査基準測定機構(JRMI)での糖尿病血糖管理事業支援などと多岐に渡っている。この様に、岡橋美貴子氏は分離分析の実用標準化の先導的先駆者で、本研究懇談会に長年に渡る貢献者でもあり、CERIクロマトグラフィー分析賞授賞に誠に相応しい人物と評価された。

液体クロマトグラフィー研究懇談会・委員長 中村 洋


液体クロマトグラフィー(LC)研究懇談会は、2022年度のCERIクロマトグラフィー分析賞受賞候補者の推薦を受け付けております。LC研究懇談会会員で、標記候補者の推薦を希望される方は、下記の規程(抜粋)を参照の上、推薦書類提出先にお申し出下さい。受賞者には、LC懇の電子ジャーナル「LCとLC/MSの知恵」への業績投稿を行って戴きます。

第1条 本賞は、LCを利用した研究分野で優秀な研究成果を挙げた者を対象に、年1件以内に授与する。

第3条 受賞者の資格に年齢は問わないが、LC研究懇談会の会員である事が望ましい。又、受賞者の研究成果は、既印刷のもので、少なくともその一部が公益社団法人日本分析化学会の機関誌若しくは学術刊行物に掲載されたものである事を要する。

第7条 賞の授与は、LC & LC/MSテクノプラザにおいて行う。受賞者には、賞牌及び賞金(10万円)を授与する。

[注記]

1)提出書類
推薦者(会員番号明記)は、A4判サイズに横書きで記入した以下 の4種類の書類(各1通)を2022年8月末日までに下記提出先に電子メールで送付す る。
① 候補者の生年月日及び高校卒業以後の履歴書、②推薦理由書、③研究業績名(40字以内)及びその概要、④研究業績リスト:表題、全著者名(受賞候補者にアンダーライン)、雑誌名、巻数、掲載ページ数、掲載年をこの順に記載したもの、⑤その他、適当と思われる資料(1件)を提出しても良い。
2)推薦書類提出先
CERIクロマトグラフィー分析賞係
[電子メールアドレス:nakamura@jsac.or.jp]

2021年度


 本賞は、(公社)日本分析化学会液体クロマトグラフィー研究懇談会(LC懇)が「液体クロマトグラフィーを利用した研究分野で優秀な研究成果を挙げた者に授与する」と規定する褒賞であり、(一財)化学物質評価研究機構(Chemicals Evaluation and Research Institute, JapanCERI)の協力を得て2018年度より運用を開始している。2021年度は、本年8月末日を期限として候補者の推薦公募を行った。期日までに提出された候補者の推薦理由書、研究業績等を基に、選考委員会(2021910日)で審議した結果、()東レリサーチセンター所属の竹澤正明氏(推薦者:(株)島津総合サービス・三上博久氏)を授賞候補者として選出した。2021年度液体クロマトグラフィー研究懇談会第6回運営委員会(928日)において、選考委員長より上申された上記結果を協議した結果、竹澤氏への授賞が正式に承認された。竹澤氏の研究業績名は、「生体試料中医薬品の極微量質量分析法の開発」である。以下、授賞の対象となった研究業績等の概要を紹介する。

 竹澤氏は、LC/ MS/MSの実用化が始まった頃から、逸速く生体試料中の医薬品やバイオマーカーの定量分析に着手した。即ち、前処理にイムノアフィニティーカラムを利用する、ヒト血漿中プロスタグランジン誘導体の高感度分析法、並びにプロスタグランジン、アンジオテンシン、アミノ酸等の内因性バイオマーカー分析法の開発である。それらの成果は、多くの製薬企業を分析の立場からサポートし、各社の医薬品開発に貢献する所となった。LC/MS/MSは、原理的には高精度かつ高性能分離分析法ではあるが、その本来の性能が実試料の分析で直ちに発揮出来る訳ではない。竹澤氏は、LC/MS/MS分析における特徴的なトラブル、例えばキャリーオーバー、クロストーク、マトリックス効果等の問題に直面し、これらの問題を解決する事により、LC/MS/MS分析法の高度化を達成した。

 これらの研究業績に加え、竹澤氏はLC/MSの基礎と応用に関する自らの経験に基づき、学会・講習会などを通じて若手研究者を幅広く啓育し、生体試料中医薬品等の分析に携わっている研究者の底上げに積極的かつ継続的な努力を積み重ねている。竹澤氏は、LC懇の中核である運営委員として、LC懇の二大行事であるLC & LC/MSテクノプラザとLC- & LC/MS-DAYsにおいてLC基礎技術講座(現在はLC/MS技術講座)の講師、LC/MSの講師を長年務める一方、毎月の例会では度々最新技術を発表しており、LC懇にとっては不可欠の人物である。又、日本分析化学会(JSAC)においては、関東支部主催機器分析講習会「HPLC, LC/MSコース」の講師としても長年大きな貢献を続けており、LC懇会員に留まらず、広くJSAC会員に模範を示す姿勢は大いに評価される。更に、分析士試験解説書、LC/MS関連実務書などへの精力的な執筆活動により、多大な社会的貢献を果たしている実績も、CERIクロマトグラフィー分析賞授賞に誠に相応しい人物と評価された。

液体クロマトグラフィー研究懇談会・委員長 中村 洋


液体クロマトグラフィー(LC)研究懇談会は、2021年度のCERIクロマトグラフィー分析賞受賞候補者の推薦を受け付けております。LC研究懇談会会員で、標記候補者の推薦を希望される方は、下記の規程(抜粋)を参照の上、推薦書類提出先にお申し出下さい。受賞者には、LC懇の電子ジャーナル「LCとLC/MSの知恵」への業績投稿を行って戴きます。

第1条 本賞は、LCを利用した研究分野で優秀な研究成果を挙げた者を対象に、年1件以内に授与
    する。
第3条 受賞者の資格に年齢は問わないが、LC研究懇談会の会員である事が望ましい。又、受賞者の
    研究成果は、既印刷のもので、少なくともその一部が公益社団法人日本分析化学会の機関誌
    若しくは学術刊行物に掲載されたものである事を要する。
第7条 賞の授与は、LC & LC/MSテクノプラザにおいて行う。受賞者には、賞牌及び賞金(10万円)
    を授与する。

[注記]

  1. 提出書類:推薦者は、A4判サイズに横書きで記入した以下の4種類の書類(各1通)を2021年8月末日までに下記提出先に電子メールで送付する。
    ① 生年月日及び高校卒業以後の履歴書、②推薦理由書、③研究業績名(40字以内)及びその概要、④研究業績リスト:表題、全著者名(受賞候補者にアンダーライン)、雑誌名、巻数、掲載ページ数、掲載年をこの順に記載したもの、⑤その他、適当と思われる資料(1件)を提出しても良い。
  2. 推薦書類提出先:CERIクロマトグラフィー分析賞係
    [電子メールアドレス:nakamura@jsac.or.jp]

2020年度

 本賞は、(公社)日本分析化学会液体クロマトグラフィー研究懇談会が「液体クロマトグラフィーを利用した研究分野で優秀な研究成果を挙げた者に授与する」と規定する褒賞であり、(一財)化学物質評価研究機構(Chemicals Evaluation and Research Institute, Japan、CERI)の協力を得て2018年度より運用を開始した。
2020年度は、本年8月末日を期限として候補者の推薦公募を行った。期日までに提出された候補者の推薦理由書、研究業績等を基に、選考委員会(2020年年9月25日)で審議した結果、アジレント・テクノロジー(株)所属の熊谷浩樹氏(推薦者:同社の滝埜昌彦氏)を受賞候補者として選出した。2020年度液体クロマトグラフィー研究懇談会第2回オンライン(メール)運営委員会(10月8日-9日)において、選考委員長より上申された上記結果を協議した結果、熊谷氏への授賞が承認された。

 熊谷氏の研究業績名は、「HPLCシステムの高機能化による分析ラボの効率向上」である。熊谷氏は、流路切り替えバルブを組込んだHPLCシステムを自動メソッド開発システムや、マルチメソッドシステム、2次元LCシステム等種々のアプリケーションに応用する事により、HPLC分析の効率が向上する手法となる事を示した。特に、2次元LCでは、マルチハートカットシステムや1次元目/2次元目間の移動相の不適合性をオンラインで緩和するバルブシステムにより、2次元LCの利用範囲が広がる事を立証した。又、PDA検出器のリニアリティーレンジを大きく拡大する手法や、HPLCシステムのエミュレーション技術を用いて異なる機種間でのメソッド移管を容易にする手法等が、HPLC分析の効率化と信頼性向上に貢献する事を具体的に示した。

 この様に、熊谷氏は高機能化されたHPLCシステムを例会等で数多く紹介し、これらの手法が分析ラボの効率化に繋がる事をHPCLユーザーに広く浸透させた点は、LC懇の設立理念に沿う研究姿勢として高く評価された。これらの研究業績に加え、熊谷浩樹氏はLC懇の中核である運営委員として宿泊型研修会、研究発表会などの現地世話人を務める等、LC懇内での精力的な活動を通して多大な社会的貢献を果たしている実績も、CERIクロマトグラフィー分析賞授賞に相応しい人物と評価された。

液体クロマトグラフィー研究懇談会・委員長 中村 洋


 液体クロマトグラフィー(LC)研究懇談会は、2020年度のCERIクロマトグラフィー分析賞受賞候補者の推薦を受け付けております。
 LC研究懇談会会員で、標記候補者の推薦を希望される方は、下記の規程(抜粋)を参照のうえ、推薦書類提出先にお申し出ください。

第1条
本賞は、LCを利用した研究分野で優秀な研究成果を挙げた者を対象に、年1件以内に授与する。
第3条
受賞者の資格に年齢は問わないが、LC研究懇談会の会員であることが望ましい。また、受賞者の研究成果は、既印刷のもので、少なくともその一部が公益社団法人日本分析化学会の機関誌もしくは学術刊行物に掲載されたものであることを要する。
第7条
賞の授与は、LC & LC/MSテクノプラザにおいて行う。受賞者には、賞牌及び賞金(10万円)を授与する。

[注記]

1)提出書類
推薦者は、A4判用紙に横書きで記入した以下の4種類の書類(正各1通、副各11通)を
2020年8月末日までに下記提出先に送付する。
① 高校卒業以後の履歴書、②推薦理由書、③研究業績名およびその概要、④研究業績リスト:表題、全著者名(受賞候補者にアンダーライン)、雑誌名、巻数、掲載ページ数、掲載年をこの順に記載したもの、⑤その他、適当と思われる資料等を提出してもよい。
2)推薦書類提出先
〒141-0031 東京都品川区西五反田1-26-2 五反田サンハイツ304号
LC研究懇談会 CERIクロマトグラフィー分析賞係
電話:03-3490-3351

2019年度


 (公社)日本分析化学会液体クロマトグラフィー研究懇談会は、2018年度より「CERIクロマトグラフィー分析賞」を創設し、2019年度は本年8月末日を期限として候補者の推薦公募を行った。
 期日までに提出された推薦書を基に、2019年度CERIクロマトグラフィー分析賞選考委員会で審議した結果、株式会社日立ハイテクサイエンス所属の伊藤正人氏(同社の清水克敏氏推薦)が受賞候補者に選出され、9月25日開催の液体クロマトグラフィー研究懇談会第6回運営委員会において承認された。
 「CERIクロマトグラフィー分析賞」とは、その受賞規程第2条第2項に、「液体クロマトグラフィーを利用した研究分野で優秀な研究成果を挙げた者に授与する」と規定されている。

 今回の伊藤正人氏の受賞における研究業績は、「高速アミノ酸分析計および超高速液体クロマトグラフに関する研究と開発」である。伊藤正人氏は、1986年、L-8500形高速アミノ酸分析計の開発メンバーとなり、粒径3 µmのイオン交換樹脂カラムを用いる分析法を研究し、発表した。
 その後、1997年L-8800形、2005年L-8900形、2017年LA8080高速アミノ酸分析計を順次開発した。
 一方、2006年、超高速液体クロマトグラフ(UHPLC)であるL-2000UシリーズLaChromUltra(最大圧力60 MPa)を開発した。
 次いで、2013年には当時業界最高圧力の140 MPa ChromasterUltra UHPLCシステム、およびサブ2 µm ODSカラムを開発・発表した。
 これらの研究開発過程で、理論段数、圧力と時間の3次元グラフを考案し、さらに線速度とカラム長さを加えた5つのパラメーター間の関係式を見出すことにも成功している。
 その成果は、「高速液体クロマトグラフィーの速さと分離に関する研究」と題する博士論文(2018年筑波大学)に集大成されている。

 このように、伊藤正人氏の一連の機器開発と解析研究はアミノ酸分析を通して数々の社会的貢献を果たすと共に、学問的にもUHPLC分野で顕著なブレイクスルーを実現し、CERIクロマトグラフィー分析賞に相応しいと評価された。

2019年10月3日
液体クロマトグラフィー研究懇談会委員長 中村 洋


 液体クロマトグラフィー(LC)研究懇談会は、2019年度のCERIクロマトグラフィー分析賞受賞候補者の推薦を受け付けております。
 LC研究懇談会会員で、標記候補者の推薦を希望される方は、下記の規程(抜粋)を参照のうえ、推薦書類提出先にお申し出ください。

第1条
本賞は、LCを利用した研究分野で優秀な研究成果を挙げた者を対象に、年1件以内授与する。
第3条
受賞者の資格に年齢は問わないが、LC研究懇談会の会員であることが望ましい。また、受賞者の研究成果は、既印刷のもので、少なくともその一部が公益社団法人日本分析化学会の機関誌もしくは学術刊行物に掲載されたものであることを要する。
第7条
賞の授与は、LC & LC/MSテクノプラザにおいて行う。受賞者には、賞牌及び賞金(10万円)を授与する。

[注記]

1)提出書類
推薦者は、A4判用紙に横書きで記入した以下の4種類の書類(正各1通、副各11通)を 2019年8月末日までに下記提出先に送付する。
① 高校卒業以後の履歴書、②推薦理由書、③研究業績の概要、④研究業績リスト:表題、全著者名(受賞候補者にアンダーライン)、雑誌名、巻数、掲載ページ数、掲載年をこの順に記載したもの、⑤その他、適当と思われる資料等を提出してもよい。
2)推薦書類提出先
〒141-0031 東京都品川区西五反田1-26-2 五反田サンハイツ304号
LC研究懇談会 CERIクロマトグラフィー分析賞係
電話:03-3490-3351

2018年度


 日本分析化学会液体クロマトグラフィー研究懇談会では、2018年度より「CERIクロマトグラフィー分析賞」を創設し、本年2月より9月末まで候補者の推薦公募を行った。期日までに提出された推薦書を基に、2018年度CERIクロマトグラフィー分析賞選考委員会で審議した結果、株式会社島津総合サービス リサーチセンター 三上博久氏が2018年度CERIクロマトグラフィー分析賞受賞候補者に選出され、10月30日開催の液体クロマトグラフィー研究懇談会第7回運営委員会で承認された。

「CERIクロマトグラフィー分析賞」とは、その受賞規程第2条第2項に、「液体クロマトグラフィーを利用した研究分野で優秀な研究成果を挙げた者に授与する」と規定されている。
今回の三上博久氏受賞における研究業績は、「誘導体化HPLC検出法の開発と装置化」である。三上博久氏は、1970年代終わりから1980年代に掛けてHPLCの応用性を格段に広げる手法として研究が盛んとなった誘導体化検出法について,この研究分野の日本における牽引役の一人として重要な足跡を残された。その一つが、糖類の新しいポストカラム蛍光誘導体化法についての研究である。三上博久氏が考案・開発された方法は、実用性が高く、装置化も早かったため、様々な分野で広く普及するに至り、開発から35年以上経った現在でも世界で使用されている。加えて三上博久氏は、HPLC及びLC/MS分野における検出部門のエキスパートとして、学協会への貢献、最新検出技術の普及、次世代技術者の育成など数々の社会的貢献を果たしてこられ、CERIクロマトグラフィー分析賞に相応しいとして選考された。

液体クロマトグラフィー研究懇談会



 液体クロマトグラフィー(LC)研究懇談会は、2018年度のCERIクロマトグラフィー分析賞受賞候補者の推薦を受け付けております。
 LC研究懇談会会員で、標記候補者の推薦を希望される方は、下記の規程(抜粋)を参照のうえ、推薦書類提出先にお申し出ください。

第1条
本賞は、LCを利用した研究分野で優秀な研究成果を挙げた者を対象に、年1件以内授与する。
第3条
受賞者の資格に年齢は問わないが、LC研究懇談会の会員であることが望ましい。
また、受賞者の研究成果は、既印刷のもので、少なくともその一部が公益社団法人日本分析化学会の機関誌もしくは学術刊行物に掲載されたものであることを要する。
第7条
賞の授与は、LC & LC/MSテクノプラザ(1月)において行う。
受賞者には、賞牌及び賞金(10万円)を授与する。


[注記]

1)提出書類
推薦者は、A4判用紙に横書きで記入した以下の4種類の書類(正各1通、副各11通)を 2018年9月末日までに下記提出先に送付する。
① 高校卒業以後の履歴書、②推薦理由書、③研究業績の概要、④研究業績リスト:表題、全著者名(受賞候補者にアンダーライン)、雑誌名、巻数、掲載ページ数、掲載年をこの順に記載したもの、⑤その他、適当と思われる資料等を提出してもよい。
2)推薦書類提出先
〒141-0031 東京都品川区西五反田1-26-2 五反田サンハイツ304号
LC研究懇談会 CERIクロマトグラフィー分析賞係
電話:03-3490-3351